けんちん汁の中身

好きな時に、好きなことを、好きなだけ。

好きなこと

 今日、やっと、私の大好きなことを見つけた。本気で泣くほど、大きすぎる感動を持て余すほど嬉しかった。

 

 今までずっと、私は好きなことに対する自覚がなかった。否、私はほとんどの物事を平等に、少し好きだった。苦手な教科も、食べ物も、クラスメイトも、ほとんど全部が少し好きだった。そんな私にとって、本当に好きなことを見つけるのはとても困難だった。少し好きなことと、大好きなことを区別することが難しかった。

 自己紹介の欄に「好きなこと」と書いてあった時、好きなことを聞かれた時。そういうとき、私の返答はいつも遅かった。キャンプ、散歩、運動、勉強、ゲーム…。なんでも当てはまる気がした。

 ずっと、何かのオタクに憧れていた。誰かのファンに憧れていた。好きなことに夢中になれる、彼らのことが羨ましかった。どうやって好きなことを見つけたのか、なんで好きになったのか、1人1人に聞きたかった。そして、真似して好きなことを見つけたかった。その答えが全て感情に行き着くのは分かっていたから、実行はしなかったけれど。

 

 でも、もうそんな苦労も、嫉妬もないのだ。私は今日、好きなことを見つけた。趣味が生活を豊かにするのは知っていたけれど、趣味を見つけることがこんなに嬉しいなんて知らなかった。

 全世界の人に伝えたい。叫びたい。私の大好きなことは、歌うことだ。

誰かの声

お題「人生で一番古い記憶」

 とても小さい時、「笑って生きて」という女性の声が聞こえたという記憶があります。正しくは、その話を親に語った記憶があります。今となってはその話が嘘か本当かも分かりませんが…。

 思い出すたび、一体誰の声なんだろうと気になります。

私の嗜好

 私がずっと秘密にしていたこと。それは、恋愛小説と恋愛漫画が好きなこと。

 しかし、過度なグロとエロが入っているものは見ているこっちが目を逸らしたくなってしまうから苦手。ホラーは怖い。過度なグロとエロ、ホラーがない恋愛小説と漫画はわりと何でも読める。BLも百合も大歓迎。異世界もどんと来い。

 ヤンデレツンデレもデレデレも尊い。嫉妬とか可愛い。駆け引きとか好きな相手のために努力する姿とか大好き。恋に鈍感なのも敏感なのもそれぞれの良さがあって好き。登場人物の歴史みたいなところが垣間見えると楽しい。登場人物同士が付き合ってて、2人が信頼しあってるところを見たりすると嬉しくなる。

優しさ

 良く人のことを「優しい」と表現するけれど、私はどんなことが「優しい」のか分からない。それでも使ってしまうのは悪い癖だ。

 例えばそこに荷物を持ったお婆さんがいるとしよう。人のことを押し退けて手伝いに行った人と、先に手伝いに行った人に遠慮したため何も手伝わなかった人。前者は側から見える気遣いと気の強さを、後者は側から見えない気遣いと気の弱さを持っている。

前者と後者、どちらの方が優しいのだろうか。それともどっちも優しいのだろうか。

 さて、そこに第三者がいた。第三者は手伝いに行った人を見て「優しい」と感じる。では、手伝いに行かなかった後者は優しくないんだろうか。後者が優しいのだとして、第三者は後者を見て「優しい」と感じるだろうか。

 

 見える気遣いは見えない気遣いよりも讃えられやすいものだと思う。そして見えない気遣いが讃えられないのを残念がるのは、ただのエゴなのかもしれない。

鳥か猫 景色を見るか、のんびりしたいです

お題「もし1日だけ動物になれるとしたら、何になりますか?」

 もしも一日だけ動物になれるとしたら、鳥か飼い猫が良いです。

 

『鳥』

一番大きな理由は、空を飛んで上からの景色を見てみたいからです。

よくある、展望台から見た写真とかあるじゃないですか。あれを展望台がないところでも見られるって最高だと思うんです。綺麗に見えるスポットを自力で探せる機会なんてそうそうありません。

好きな動物だからという理由もあります。あの見た目と鳴き声が好きなんですよね…。

 

『飼い猫』

猫の中でも飼い猫なのは、そっちのほうがのんびり過ごせそうだと思ったからです。

実のところ、私はのんびり過ごすのが大好きで、外に出るのも少し億劫です。ですので、のんびりしても何もとがめられない飼い猫は最高です。昼間は、仕事でも勉強でもなく日光浴。ご飯は作らなくても出てくる。一日なら素直に楽しめそうですが、数日となると罪悪感がでてきそうです。笑

 

もし今、どっちかを選べと言われるのなら、今の私は飼い猫を選びます。年末年始くらいのんびりしたいです。

サンタクロースの皆さんは焦らず落ち着いて行動してください

 あわてんぼうのサンタクロース

 その歌を聞いた幼いころの私は、サンタクロースが慌てることなんてないと高を括っていた。

 「サンタクロースっておじいちゃんなんでしょ?人生経験が豊富なおじいちゃんが慌てることなんてないよ。」

 今思えばそのころの私はませたガキだったと思う。

 

 

 しかし事件は起きてしまった。

 10歳のクリスマスイブ、就寝しようとした時。妙に寝にくい。

 枕が硬いせいだと気が付いて枕を直そうとすると、何かが手に当たった。それはつるつるしていて、中にいわゆる”プチプチ”と同じ弾力と四角いフォルムを連想させる硬さがあった。

 私は恐ろしくてそれを一切見ず枕の下にしまい込んだ。そしてぬいぐるみを枕代わりにして寝た。翌朝、全てを忘れていますようにと願いながら。

 

 翌朝、私はいつもよりも遅い時間に起きた。

 ゆっくりと枕に目を向ける。下から昨夜のつるつるとしたものを取り出すと、綺麗に包装された袋だった。

 それを懇切丁寧に開け、中から一冊の本を取り出す。私の好みの本だった。

 喜ぶでもなく、「思っていたのと違う」と残念がるでもなく、ただただ無表情でそれを見つめていた。はたから見ればさぞかし異様な光景だったと思う。

 

 リビングに行って自分の朝ご飯を用意していると、会社に行く支度をしている親に会った。

 「おはよう、サンタさんから今年もクリスマスプレゼント貰った?」

と笑顔で聞かれ、私は答えるしかなくなってしまった。

「うん。私の好きな本を貰ったよ」

私の精一杯の笑顔は、ぎこちなさを隠せていただろうか。

 

 

 押さない、駆けない、喋らない、戻らない

 

これは小説の類です