けんちん汁の中身

好きな時に、好きなことを、好きなだけ。

優しさ

 良く人のことを「優しい」と表現するけれど、私はどんなことが「優しい」のか分からない。それでも使ってしまうのは悪い癖だ。

 例えばそこに荷物を持ったお婆さんがいるとしよう。人のことを押し退けて手伝いに行った人と、先に手伝いに行った人に遠慮したため何も手伝わなかった人。前者は側から見える気遣いと気の強さを、後者は側から見えない気遣いと気の弱さを持っている。

前者と後者、どちらの方が優しいのだろうか。それともどっちも優しいのだろうか。

 さて、そこに第三者がいた。第三者は手伝いに行った人を見て「優しい」と感じる。では、手伝いに行かなかった後者は優しくないんだろうか。後者が優しいのだとして、第三者は後者を見て「優しい」と感じるだろうか。

 

 見える気遣いは見えない気遣いよりも讃えられやすいものだと思う。そして見えない気遣いが讃えられないのを残念がるのは、ただのエゴなのかもしれない。